更新)フィルム施工車両の車検 審査事務規程(運輸局・軽自動車検査協会での検査方法)可視光線透過率の計測・試験

更新)フィルム施工車両の車検 審査事務規程(運輸局・軽自動車検査協会での検査方法)可視光線透過率の計測・試験

2022/06/20 伝わりにくかった内容が多くあったようで、よりダイレクトな表現に変更しました。
審査事務規程 別添1 試験規程 詳細 TRIAS 29-J037-01 窓ガラス試験
https://www.naltec.go.jp/publication/regulation/fkoifn0000000ljx-att/fkoifn0000000wep.pdf
の記載を追加しました。
審査事務規程での可視光線透過率計測方法です。

ブレインテックゴーストフィルムの車検
透明断熱フィルム、透明遮熱フィルムの車検
UVカットフィルムの車検
フロントガラスフィルムの車検
フロントドアガラスフィルムの車検
可視光線透過率70%以上のフィルム施工車両の車検
などの判断に利用して頂く為の関係情報です。

本来は車検に適合すべきフィルム施工車両が
・可視光線透過率測定器の校正調整の問題による落検
・可視光線透過率測定器以外の測定装置による落検
・検査する者の主観に基づく動機だけでの落検
など過去に起きた間違いを正し、今後正しい検査が行われることを目的にフィルム施工車両の検査・試験に関係する規程・基準・規格を抜粋してご案内しています。
一部の検査機関・検査員がこの審査事務規程に準拠して検査を行っていない情報を頂きましたのでこちらの内容をお伝えしてフィルム施工車両の検査を受けて頂く事を進めいたします。
確実なソースはそれぞれリンク先の国土交通省・独立行政法人自動車技術総合機構(NALTEC)のホームページ内での一次情報にてご確認をお願いいたします。

こちらの公表に間違い有りましたらご指摘お願いいたします。
有識者のご指摘、意見お待ちしています。

フィルム施工車両の審査事務規程による車検

審査事務規程とは国の検査機関(運輸局等)での独立行政法人自動車技術総合機構(NALTEC)が行う継続検査(車検)方法の指針を表したものになります。
自動車が保安基準に適合するかどうかの審査事務の実施に関する規程です。
自動車検査(車検)はこの規程の基に行われています。

審査事務規程は法令である道路運送車両法・道路運送車両の保安基準第29条・細目告示第195条・ 別添37
https://www.filmshop.jp/news-detail/197
と内容は同じですが比べてより実務的に表現されています。

自動車ディーラー・民間車検工場などの指定工場も同審査事務規程の基、継続検査(車検)の合否判断、保安基準に適合するかの判断を行っています。

審査事務規程 は独立行政法人自動車技術総合機構(NALTEC)ホームページよりどなたでも閲覧可能です。
https://www.naltec.go.jp/publication/regulation/shinsajimukitei.html

ユーザー様 受検者様
検査機関において審査事務規程に準じて検査を行われていない場合は下記内容を検査員にお伝えして検査を受けてください。
検査機関で円滑な検査が出来るように可視光線透過率測定器を持つショップ様などで予備測定を行い、基準に満たない時はフィルムを剥がす、貼りなおすなど検査機関様のお手間を増やさないように努めてください。
判断が難しい可視光線透過率70%付近の車両は検査機関での校正が取れた可視光線透過率測定器で試験を受けられる事をお勧めします。

検査機関様
フィルム施工車両の検査は 審査事務規程 第 9 章 テスタ等による機能維持確認 9-4 窓ガラスの透過率(可視光線透過率測定器)に準拠して可視光線透過率測定器を利用した検査をお願いいたします。

可視光線透過率測定器(PT-500/PT-50)は取扱説明書の通り、試験当日の校正を行い校正値を印字保管して運用お願いいたします。

可視光線透過率69%など基準付近の取り扱いは特に注意お願いいたします。
校正調整、センサー同士で100%など校正に問題ないかの確認と受験者に理解できる表記をお願い致します。
仕組みから可視光線透過率測定器は数値の上振れは起こりにくく、外的要因から下振れの可能性が起きやすいです。
測定器の温度管理、湿度管理をお願いいたします。
熱くしすぎない、冷たくしすぎない、結露を起こさないなどのご注意お願いいたします。
炎天下、温度変化が大きい、湿度が高い状態での正しい測定は難しいです。

フロントガラス、運転席ガラス、助手席ガラスへのフィルム貼付け車両の継続検査は検査事務規程により以下のように行われなければいけないと解釈できます。

▪第 9 章 テスタ等による機能維持確認
9-4 窓ガラスの透過率(可視光線透過率測定器)

着色フィルム等が貼り付けられたことにより、70%を下回るおそれがあると認められたときは、可視光線透過率測定器を用いて可視光線透過率を計測するものとする。ただし、可視光線透過率が 70%を下回ることが明らかである場合には、この限りではない。
により


「70%を下回るおそれがあると認められたときは、可視光線透過率測定器を用いて可視光線透過率を計測するものとする。」
このことから検査員はPT-500/PT-50などの可視光線透過率測定器(※1)を用いて可視光線透過率(※2)を計測して合否判断をする必要があります。
・可視光線透過率測定器での計測を行わずに落検(不適合)は間違いです。
・可視光線透過率測定器を使用せずに可視光線透過率測定器ではない可視光線透過率を測らないLEDを使用した簡易測定器・ガラス透過率測定器・ティントメーター(※3)などでの測定結果による落検は間違いです。
・フィルムはだめ、色が入っているから、反射がある、外から見えないなどの根拠のない検査員の主観に基づく動機だけでの落検は間違いです。


検査員の判断で、「70%を下回るおそれがある」と認められない時はフィルム未施工のガラス同様にフィルム施工車両で有っても可視光線透過率測定を行わずに合格することが可能と解釈できます。
・過去の経験などによる検査員の知識、可視光線透過率証明書、カタログ・ガラスの透過率より判断、簡易測定器での判断などで検査員が70%を下回るおそれがないと判断(70%以上であると判断)できるのなら合格(適合)可能と考えられます。
・しかし落検は上記①の解釈により検査員の判断で行うことはできず可視光線透過率測定器での計測の必要があります。


「ただし、可視光線透過率が 70%を下回ることが明らかである場合には、この限りではない。」
可視光線透過率の高い70%以上が可能な無色透明フィルム、ゴーストフィルム、イエロー色着色フィルムなどはこれに当てはまらないと解釈できます。
「70%を下回ることが明らか」とは”不正改造は犯罪です”ポスターなどで見られるような70%以上の可能性のない40%未満と思われる濃色のスモークフィルムなどであり、それ以外のフィルム施工車両の検査は可視光線透過率を計測する必要有ると判断できます。
※人間の目では、現在の高性能ガラス・フィルムの可視光線透過率を判断できません。

(※1)可視光線透過率測定器(PT-500/PT-50など以下の条件を満たす必要)
「以下の条件を満たさない測定装置は可視光線透過率測定器ではありません。」
道路運送車両の保安基準 細目告示 別添37
5.9. 可視光線透過率試験
5.9.2. 試験装置
5.9.2.1. 光源
色温度2,856±50°Kに点灯した白熱電球とする。
5.9.2.2. 受光部
JIS Z8701「XYZ表色系及びX10Y10Z10表色系による色の表示方法」に規定される
XYZ表色系に基づく等色関数y(λ)に対応する感度を有するものを用いる。この場
合において光束の断面の大きさは、20×20㎜以内に収束したものとし、入射の方向
は供試体の面に直角とする。
審査事務規程 別添1 試験規程 詳細 TRIAS 29-J037-01 窓ガラス試験
別添「窓ガラスの技術基準」の規定及び本規定によるものとする。
可視光線透過率の測定値は、少数第1位までとし次位を四捨五入すること。

(※2)可視光線透過率
道路運送車両の保安基準 細目告示 別添37
5.9.3.1. 次のいずれかの方法により可視光線透過率を求める。
5.9.3.1.2. 直接測定法
5.9.2.に規定する試験装置を用いて、供試体の透過光束と入射光束を測定し、両
者の比を百分率で表した値を可視光線透過率とする。

(※3)簡易測定器・ガラス透過率測定器・ティントメーター
(※1)(※2)の審査事務規程、保安基準 により
可視光線透過率を測る「規定する試験装置」以外である簡易測定器・ガラス透過率測定器・TINTMETERの数値での落検は不可能です。
簡易測定器・ガラス透過率測定器・TINTMETERの測定数値は審査事務規程、保安基準外の測定になります。
規格であるCIE標準イルミナントA(A光 2,856±50°K)と550nm発光黄緑LEDによる測定は、測定しているソース・範囲が違うので測定数値に違いが発生する可能性があります。
可視光線透過率(A光 2,856±50°K)と大きく測定数値が違う可能性の有る白色LEDを使用したティントメーターは使用しないでください。

審査事務規程
https://www.naltec.go.jp/publication/regulation/shinsajimukitei.html

以下、審査事務規程関係部抜粋

■第8章 新規検査、予備検査、継続検査又は構造等変更検査
8-55 窓ガラス貼付物等
https://www.naltec.go.jp/publication/regulation/fkoifn0000000ljx-att/fkoifn0000000mk4.pdf
8-55 窓ガラス貼付物等
8-55-1 性能要件
8-55-1-1 視認等による審査
(1)自動車(被牽引自動車を除く。)の前面ガラス及び側面ガ
ラス(8-54-1(2)に掲げる範囲を除く。)には、次に掲げ
るもの以外のものが装着(窓ガラスに一部又は全部が接触
又は密着している状態を含む。)され、貼り付けられ、塗
装され、又は刻印されていてはならない。
⑫ 装着(窓ガラスに一部又は全部が接触又は密着して
いる状態を含む。)され、貼り付けられ、又は塗装さ
れた状態において、透明であるもの。
この場合において、運転者が交通状況を確認するた
めに必要な視野の範囲に係る部分にあっては可視光
線透過率が 70%以上であることが確保できるもので
あること。
(2)(1)⑫の「運転者が交通状況を確認するために必要な視
野の範囲」とは、次に掲げる範囲(後写鏡及び 8-107 に規
定する鏡その他の装置を確認するために必要な範囲並び
に 8-107-1 ただし書の自動車の窓ガラスのうち 8-107-1 の
障害物を直接確認するために必要な範囲を除く。)以外の
範囲とする。(細目告示第 195 条第 6 項関係)
① 前面ガラスの上縁であって、車両中心線と平行な鉛
直面上のガラス開口部の実長の 20%以内の範囲
(3)窓ガラスに装着(窓ガラスに一部又は全部が接触又は密
着している状態を含む。)され、貼り付けられ、又は塗装
された状態において、運転者が次に掲げるものを確認でき
るものは、(1)⑫の「透明である」とされるものとする。
(細目告示第 195 条第 7 項関係)
① 運転者が交通状況を確認するために必要な視野の
範囲に係る部分にあっては、他の自動車、歩行者等
② (2)①及び②にあっては、交通信号機
③ (2)③及び④にあっては、歩行者等
8-55-1-2 テスタ等による審査
9-4 の規定による。

■第 9 章 テスタ等による機能維持確認
https://www.naltec.go.jp/publication/regulation/fkoifn0000000ljx-att/fkoifn000000ccfy.pdf
9-1 適用
この章の規定は、サイドスリップ・テスタ、ブレーキ・テスタ、可視光線透過率測定器、騒音計等、一酸化
炭素測定器、炭化水素測定器、黒煙測定器、オパシメータ、前照灯試験機、色度座標測定機器、速度計試験機
を用いて審査するものに適用する。
9-4 窓ガラスの透過率(可視光線透過率測定器)
(1)次表に掲げる自動車に備える前面ガラス及び側面ガラス(運転者席より後方の部分を除く。)のうち運転者
が交通状況を確認するために必要な視野の範囲に係る部分における可視光線透過率が、着色フィルム等が装
着(窓ガラスに一部又は全部が接触又は密着している状態を含む。)され、貼り付けられ、又は塗装されたこ
とにより、70%を下回るおそれがあると認められたときは、可視光線透過率測定器を用いて可視光線透過率
を計測するものとする。
ただし、可視光線透過率が 70%を下回ることが明らかである場合には、この限りではない。

■別添1 試験規程 詳細
TRIAS 29-J037-01 窓ガラス試験
https://www.naltec.go.jp/publication/regulation/fkoifn0000000ljx-att/fkoifn0000000wep.pdf
1. 総則
窓ガラス試験の実施にあたっては、「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」(平成 14
年国土交通省告示第 619 号)別添「窓ガラスの技術基準」の規定及び本規定によるものとする。
3. 測定値の取扱い
測定値の取扱いは、次による。
(1) 可視光線透過率の測定値は、少数第1位までとし次位を四捨五入すること。(ただし、数値
処理前の値が、基準値を満たさない場合は、第2位を切り捨てる。

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