【ゴースト施工ショップ 探訪レポート No.02 】~新たな“クルマの楽しみ方”の1つを提案~ ウエラ名古屋@愛知

 

~新たな“クルマの楽しみ方”の1つを提案~ ウエラ名古屋@愛知

カーフィルム製品の中でも登場以来、ユーザー様から絶大な人気を誇る「ゴースト」シリーズ。法令遵守した施工を通じ、「ビジネスとしての収益増加」「ユーザー満足の向上」の両面でゴーストを活用しているショップ様をご紹介。
今回は、「ゴースト=ヤンチャなクルマ好きのアイテム」というイメージも一部で言われる中、「普通のクルマ好きがカーライフを楽しむ術の1つ」としてゴーストフィルムを提供する「ウエラ名古屋」さんを訪問してきました。プロショップ様におけるゴーストの取り扱い方、ユーザー様における施工ショップの選び方のご参考になれば幸いです。


▲名古屋中心部からも程近い愛知県日進市にあるウエラ名古屋

「広く深い」サービスに多彩なクルマが入庫

カーディテイリング業と一言にいってもそのメニューは幅広く、定番のボディコーティングやカーフィルムだけみてもショップによって品質は千差万別。その中で愛知県日進市にあるディテイリングショップ「ウエラ名古屋(森下生真代表)」はコーティング、カーフィルムをはじめラッピングやペイントプロテクションフィルム(PPF)、ガラス修理、内装コーティングに至るまで幅広いサービスを一手に提供。メニュー数が豊富なだけではなく、いずれもディテイリングショップならではの強いこだわりが込められています。

例えばコーティングでは、専任職人による下地処理(磨き)や顧客の要望・予算に応じる3つのメニュー設定はもとより、施工後のメンテナンスでも独自プランを用意。専門知識を持つスタッフが丁寧に事前案内も行い、施工前から施工後まで徹底して「美観にこだわるカーユーザー」に応えるサービスを提供しています。
近年では、富裕層を中心に広がるPPF/ラッピングも人気サービスの1つ。PPFではクリア/マットタイプや色・柄付きといった幅広いタイプを自社熟練スタッフが施工し、1台の施工価格が100万円を超えるケースもあるなど、高級コーティングと合わせて地場富裕層の御用達店にもなっています。

幅広いサービスで多彩な顧客層が入店しやすい側面を持ちつつ、高品質高単価なサービスで富裕層にも応える同社。飲食店でいうと、専門特化した小規模高級レストランとメニュー豊富な大手チェーン店の性質を兼ね備えているようなイメージで、職人が技術一本で営む個人ショップも少なくないディテイリングの世界ではなおのこと、同社のような多角的かつ組織的なサービス展開と高いサービス品質を両立しているショップは多くありません。

そして最近では、著名人とタッグを組んでの動画配信や、カーディテイリングの技術ノウハウを活用したマリン事業部の発足など、同社のこだわりをより一層拡張中。同社がメイン顧客とするエンドユーザーからの支持を年々高めています。

明るく清潔感に溢れる店内。各種施工サービスの案内からアフターフォローまで丁寧な接客が行われている

希少な高級車から大衆車まで幅広いレンジの車両が入庫。コーティング、カーフィルムのほかラッピングやPPFなどの高級サービスも人気

同店舗スタッフ数だけでも30人規模とエンドユーザーを顧客とするディテイリングショップとしては大型で、ガラス修理・交換も手掛ける

 

仕上がり・適法性の両面で「専門店品質」を自負

多彩なサービスを提供するウエラ名古屋で、全体の約3割を占める主力事業の1つが「カーフィルム」。おおよそ月間200台程と大規模に施工し、定番のスモークからフロント3面(フロントガラス、運転席、助手席)への透明遮熱フィルムまで豊富な施工実績を誇ります。

そして近年、新たな人気商品となっているのが独自に「オーロラウィンドウフィルム」と銘打った製品群です。現在はブレインテックの「ピュアゴースト90」「ゼノンⅡゴースト」「シャインゴースト」の3製品をメインに販売しています。

元々は2018年頃に顧客からの問い合わせ増加を機に取り扱いを開始。当初こそ海外ブランド製品を扱っていたものの、品質面などを理由に使用製品を吟味し、現在のブレインテック社製品に辿り着いたと同社で事業戦略を担う自動車事業部・近岡真樹夫部長は明かします。ただ、実はゴーストシリーズも最初から手放しで採用したわけではなかったとのこと。特に導入初期のモデルは、「施工の熱成形時に若干の色ムラが見られ、ユーザー様自身が不満に思う程ではない些細なレベルだが、“カーフィルム専門店”として提供できる品質かという点で懸念が残っていた」と当時を振り返ります。

ただその懸念も、品質改良された新製品が登場するたびに払拭。21年末に登場した国内製造で高い品質を誇るピュアゴーストは、同社でも自信を持って提供できる製品だったそうで、「施工時の色移りや色飛びも少なく仕上がりが綺麗で、トラブル症状も出づらい。高価ではあるがそれ相応の品質」(近岡部長)と評します。

また、こうした施工品質と同時に同社が強くこだわるのが適法性です。近岡部長はゴースト取り扱いに際し、製品特性や可視光線透過率を規定する法規制に関する理解を改めて深めるとともに、地元警察との情報交換なども独自に敢行。21年にはブレインテックから推奨される前に可視光線透過率測定器「PT-500 」を導入しました。PT-500は高価で、実は「カーフィルム専門店」でも保有するショップが少ない測定器。それでも、「本当の意味で専門店として施工ユーザーを支援するためには、安価な簡易測定器ではなく陸運局(=法律)と同じ規定で測定することが不可欠と考えた」と導入に踏み切ったそうです。

その結果現在では、「違法施工は受け付けない」という確固たる姿勢は堅持したまま、ゴーストシリーズがフィルム全体の1割程を占める人気商品に。「安売り・値引きしない」という同社の元々の方針も相まってか適法・適正価格で施工依頼する顧客が多く、スモークや透明遮熱タイプなどカーフィルムを一度施工したユーザーが「次にフィルム施工するなら」と関心を示すケースも少なくないそうで、新規・既存客双方から多くの引き合いがあるそうです。

他の施工作業とは隔離されたカーフィルム専用ブースで、ゴミの混入などを極力抑えた丁寧な施工作業が行われている。ウインドウプロテクションも請け負っている

森下代表同様、高品質・適法への高い意識を有する近岡部長。フィルムはもとよりコーティングなども含めて自動車事業全般を舵取りする

従前からフロント3面施工の際は法律や車検に関する施工前説明を丁寧にしてきたため、ゴースト導入後も大きなトラブルは起きていないという

クルマにこだわる人を中心に、国産車から輸入車まで幅広いユーザーから人気があるという

“持続的なディテイリング業”を

高価な測定器の導入やスタッフの手間をかけた調査など、自社収益に直結しない動きにも積極的な同社。その根底には「エンドユーザーの信頼が第一」という方針があります。

同社は1972年創業の老舗で、長い間ディーラーや中古車販売店からのカークリーニング(下取った車両の再商品化)請負をメインビジネスとしてきました。方向転換したのは、現在の森下代表が事業を継承してから。「ディーラーなどで中古車商品化の内製化が進むなど時流が変化する中、ディテイリング業の持続のためにはエンドユーザー様の要望にいかに応えていくかが欠かせない」(森下代表)との想いから、エンドユーザーを顧客とする現方針に舵を切りました。

前述の施工品質、合法施工への強いこだわりもこの事業方針に基づきます。「かつては自動車業界で違法改造やコンプラ違反した営業行為も多く見られたが、それらが短命で終わる姿も目にしてきた。ショップやサービスを末永く続けるためには合法・健全な姿勢で顧客の信頼を得ることが大切で、そのために必要であれば短期的にコストがかかることでも取り組む」と森下代表は自社の行動指針を示します。

そんな同氏ゆえ、ゴースト導入時は「違法改造を好むような顧客層が増えてしまったら…」という懸念もあったそう。ですが、フタを開けてみると「ゴースト施工客もいわゆる”普通のクルマ好き”が多く、カーライフを楽しむためのアイテムの1つとして親しまれているように見える」(森下代
表)とのこと。この健全な顧客層は、同社がカーオーナーと真摯に向き合う姿勢によって構築されたであろうことは想像に難くありません。

「持続的な事業経営を」「ユーザーファーストの経営を」…。今日ではよく耳にし、口にするのも簡単な言葉ですが、実践するのはとても難しい理念。それを実直に体現しながらも「当たり前と思えることに取り組んできただけ」と森下代表の姿勢は謙虚そのもの。同氏のショップで施工され
ているゴーストには、「ヤンチャなクルマ好きのための違法品」という一部のイメージは程遠く、「クルマの楽しみ方を広げる」という健全なカー用品の姿がそこに見られました。

定番のコーティング1つとっても、アフターフォローを徹底する姿勢に同社のユーザーファーストが垣間見える

動画配信なども含めカーオーナーに向けた情報発信にも精力的な同社。ゴーストの質感や適法性を解説する独自の動画も制作、配信している

「ユーザーの信頼に応えるため」と、メーカーなどから推奨・案内される前に自社で必要性を感じてPT-500を導入

取材協力:ウエラ名古屋

2022 取材当時