自動車フィルムの法規制条文 道路運送車両の保安基準29条他(道路運送車両法 道路交通法)

法規制、法規制解釈についての質問を多く頂いております。
今回、フィルム施工などの関係者向けに自動車フィルム法規制の条文や関係書類をまとめています。

国土交通省のホームページよりどなたでも閲覧可能です。
https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_fr7_000007.html
車検・道路運送車両法・道路交通法(道交法)の取り締まりの基準です。

フィルム施工合否判断の参考資料としてご利用ください。

 

保安基準の条文より以下のように解釈することができます。

・運転席より後方のガラスには特に規制が無い。
・運転席ガラス・助手席ガラス・フロントガラスは、フィルム施工後に透明で可視光線透過率70%以上なら施工可能。
(この場合の透明の定義は他の自動車・歩行者等が確認できる透過性)
・フロントガラス上縁から開口部高さの20%までは透明で有れば可視光線透過率に規制は無い。
(この場合の透明の定義は交通信号機が確認できる透過性)
・可視光線透過率(測定)とは
可視光線     =イルミナントA刺激値Y(重課係数) = JIS(CIE)A光 x 関数y値
可視光線透過率(%)=イルミナントA刺激値Yx 透過率T(λ) or A光 x y値x 透過率T(λ) /100
(フィルムの規格とは違う自動車用安全ガラスの規格)

 

国土交通省 ホームページ
【道路運送車両の保安基準(2020年4月1日現在)】より抜粋
■道路運送車両の保安基準【2014.06.10】第29条(窓ガラス)
https://www.mlit.go.jp/common/000187236.pdf

第29条 自動車(最高速度25キロメートル毎時以下の自動車を除く。)の窓ガラスは、
告示で定める基準に適合する安全ガラスでなければならない。
ただし、衝突等により窓ガラスが損傷した場合において、
当該ガラスの破片により乗車人員が傷害を受けるおそれ
の少ないものとして告示で定める場所に備えられたものにあつては、この限りでない。
2 自動車(最高速度40キロメートル毎時未満の自動車を除く。)の前面ガラスは、損傷した場合においても運転者の視野を確保できるものであり、
かつ、容易に貫通されないものとして、強度等に関し告示で定める基準に適合するものでなければならない。
3 自動車(被牽引自動車を除く。)の前面ガラス及び側面ガラス(告示で定める部分を除く。)は、運転者の視野を妨げないものとして、
ひずみ、可視光線の透過率等に関し告示で定める基準に適合するものでなければならない。
4 前項に規定する窓ガラスには、次に掲げるもの以外のものが装着され、貼り付けられ
塗装され、又は刻印されていてはならない
一 整備命令標章
一の二 臨時検査合格標章
二 検査標章
二の二 保安基準適合標章(中央点線のところから二つ折りとしたものに限る。)
三 自動車損害賠償保障法(昭和30年法律第97号)第9条の2第1項(同法第9条の4において準用する場合を含む。)
又は第10条の2第1項の保険標章、共済標章又は保険・共済除外標章
四 道路交通法第63条第4項の標章
五 削除
六 前各号に掲げるもののほか、運転者の視野の確保に支障がないものとして告示で定めるもの
七 前各号に掲げるもののほか、国土交通大臣又は地方運輸局長が指定したもの

 

■道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2019.05.28】〈第3節〉第195条(窓ガラス) 関係部抜粋
https://www.mlit.go.jp/common/001056456.pdf

3 自動車(二輪自動車、側車付二輪自動車及び被牽引自動車を除く。)の前面ガラス等の
うち前面ガラス及び側面ガラスのひずみ、可視光線の透過率等に関し、保安基準第29条第3項の告示で定める基準は、次の各号に掲げる基準とする。
一 透明で、運転者の視野を妨げるようなひずみのないものであること。
二 運転者が交通状況を確認するために必要な視野の範囲に係る部分における可視光線の透過率が70%以上のものであること。

4 保安基準第29条第3項の告示で定める部分は、運転者席より後方の部分とする。
この場合において、次の各号に掲げる範囲は運転者席より後方の部分とする。
一 運転者席より後方の座席等の側面ガラス

5 窓ガラスへの装着、貼り付け、塗装又は刻印に関し、保安基準第29条第4項第6号の
告示で定めるものは、次の各号に掲げるものとする。

六 装着され、貼り付けられ、又は塗装された状態において、透明であるもの
この場合において、運転者が交通状況を確認するために
必要な視野の範囲に係る部分にあっては可視光線透過率が70%以上であることが確保できるもの

6 前項第6号の「運転者が交通状況を確認するために必要な視野の範囲」とは、
次の各号に掲げる範囲(保安基準第44条第1項の後写鏡及び同条第5項の鏡その他の装置を確認するために必要な範囲
並びに同項ただし書きの自動車の窓ガラスのうち同項の障害物を直接確認するために必要な範囲を除く。)以外の範囲とする。
一 前面ガラスの上縁であって、車両中心面と平行な面上のガラス開口部の実長の20%以内の範囲

7 窓ガラスに装着され、はり付けられ、又は塗装された状態において、
運転者が次の各号に掲げるものを確認できるものは、第5項第6号の「透明である」とされるものとする。
一 運転者が交通状況を確認するために必要な視野の範囲に係る部分にあっては、他の自動車、歩行者等
二 前項第1号及び第2号にあっては、交通信号機

 

■道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2003.09.26】別添37(窓ガラスの技術基準) 関係部抜粋
https://www.mlit.go.jp/jidosha/kijyun/saimokubetten/saibet_037_00.pdf

5.9. 可視光線透過率試験
5.9.1. 供試体
5.9.1.1. 合わせガラス、有機ガラス及びガラス-プラスチックの場合
製品の可視光線透過率試験領域のガラス又は製品の可視光線透過率試験領域と同
一仕様のガラスから切り出された試験片を用いる。ただし、ガラス-プラスチック
のうち、強化ガラスを使用しているものにあっては、5.9.1.2.による。
5.9.1.2. 強化ガラスの場合
製品の可視光線透過率試験領域のガラスと同一の材料板ガラスから切り出された
試験片を用いる。
5.9.2. 試験装置
5.9.2.1. 光源
色温度2,856±50°Kに点灯した白熱電球とする。
5.9.2.2. 受光部
JIS Z8701「XYZ表色系及びX10Y10Z10表色系による色の表示方法」に規定される
XYZ表色系に基づく等色関数y(λ)に対応する感度を有するものを用いる。この場
合において光束の断面の大きさは、20×20㎜以内に収束したものとし、入射の方向
は供試体の面に直角とする。
5.9.3. 試験手順
5.9.3.1. 次のいずれかの方法により可視光線透過率を求める
5.9.3.1.1. 分光測定法
JIS Z8722「物体色の測定方法」によって供試体の分光透過率を求めて、標準の
光Aに対する刺激値Yの値を百分率で表した値を可視光線透過率とする。
5.9.3.1.2. 直接測定法
5.9.2.に規定する試験装置を用いて、供試体の透過光束と入射光束を測定し、両
者の比を百分率で表した値を可視光線透過率とする

 

pdfもございます。
印刷などこちらからご利用下さい。(道路運送車両法関係)

 

■関係規格 リンク

JIS(日本産業規格) JIS Z8701 「色の表示方法−XYZ表色系及び X10Y10Z10表色系」
http://kikakurui.com/z8/Z8701-1999-01.html

JIS(日本産業規格) JIS Z8722 「色の測定方法−反射及び透過物体色」
https://kikakurui.com/z8/Z8722-2009-01.html

JIS(日本産業規格) JIS R3212 「自動車用安全ガラス試験方法」
https://kikakurui.com/r3/R3212-2015-01.html

国際照明委員会(Commission Internationale de lʼ eclairage,略称CIE)
Publication CIE No.15:2004  (英文)
https://law.resource.org/pub/us/cfr/ibr/003/cie.15.2004.pdf 

 

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