国土交通省自動車局整備課 令和5年1月13日 事務連絡 「保安基準第29 条第3 項に規定された要件を満たすもの」(可視光線透過率測定器)

国土交通省自動車局整備課 令和5年1月13日 事務連絡
https://www.braintec.co.jp/pdf/20230113_jidousya.pdf
1.当該事業場において可視光線透過率測定器を用いて判定する場合は、道路運送
車両の保安基準第29 条第3 項に規定された要件を満たすもの※を用いること。
※<参考>独立行政法人自動車技術総合機構においては「PT-50、PT-500 (光明理化学工業製)」
を使用。

を読み解き、どの可視光線透過率測定器を使用したら良いのか判断が難しいとのご質問を頂くことが多いですが、<参考>で表記される、PT-50、PT-500を判定に用いれば間違いが有りません。

以下、保安基準第29 条第3 項に規定された要件を読み解いてみました。

道路運送車両の保安基準 第29条(窓ガラス)
https://www.mlit.go.jp/common/000187236.pdf
3 自動車の前面ガラス及び側面ガラス(告示で定める部分を除く。)は、運転者の視野を妨げないものとして、ひずみ、可視光線の透過率等に関し告示で定める基準に適合するものでなければならない。

道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 第117条
https://www.mlit.go.jp/common/001056411.pdf
保安基準第29条第3項の告示で定める基準は、協定規則第43号の規則6.から8.まで及び附則24に定める基準とする。

協定規則第43号 Regulation No. 43 (和 訳)
https://www.mlit.go.jp/jidosha/un/UN_R043.pdf
8.1.4.
光学特性
8.1.4.1.
光透過性テスト
本テストの目的は、安全ガラスの通常の透過率が所定の数値を超えているか否かを検証することである。
8.2.1.1.
安全ガラスに対して、以下の表に示したテストを実施するものとする
前面ガラスWindscreen
光透過性 Annex 3/9.1

附則24 Annex 24(英文のみ)
4.1.1. The regular light transmittance shall not be less than 70 per cent.
4.2.3.1. The safety glazing not covered by the definitions of paragraphs 2.25.1. and 2.25.2. of this Regulation, the exterior-forward facing glazing and interior glazing shall bear the additional symbol V specified in paragraph 5.5.2. of this Regulation, if the light transmittance is below 70 per cent.
(グーグル翻訳)
4.1.1. 常光線透過率は70パーセント以上でなければなりません。
4.2.1.1. 2.25.1 項で定義されている、ドライバーの前方視界を確保するための安全ガラス。 この規則の規定を取得しているものは、少なくとも70パーセントの常光線透過率を有していなければなりません。

Annex 3/9.1 (英文のみ)
https://unece.org/DAM/trans/main/wp29/wp29regs/R043r3e.pdf
Annex 3
9.1. Light transmission test
9.1.1. Apparatus
9.1.1.1. Light source consisting of an incandescent lamp with its filament contained within a parallelepiped measuring 1.5 mm x 1.5 mm x 3 mm. The voltage at the lamp filament shall be such that the colour temperature is 2,856 K ± 50 K. This voltage shall be stabilized within ±1/1,000. The instrument used to check the voltage shall be of appropriate accuracy.
9.1.1.2. Optical system consisting of a lens with a focal length f of at least 500 mm and corrected for chromatic aberrations. The full aperture of the lens shall not exceed f/20. The distance between the lens and the light source shall be adjusted in order to obtain a light beam which is substantially parallel. A diaphragm shall be inserted to limit the diameter of the light beam to 7 mm ± 1 mm. This diaphragm shall be situated at a distance of 100 mm ± 50 mm from the lens on the side remote from the light source. The point of measurement shall be taken at the centre of the light beam.
9.1.1.3. Measuring equipment
The receiver shall have a relative spectral sensitivity in substantial agreement with the relative spectral luminous efficiency for the ICI17 standard photometric observer for photopic vision. The sensitive surface of the receiver shall be covered with a diffusing medium and shall have at least twice the cross-section of the light beam emitted by the optical system. If an integrating sphere is used, the aperture of the sphere shall have a cross-sectional area at least twice that of the parallel portion of the beam.
The linearity of the receiver and the associated indicating instrument shall be better than 2 per cent of the effective part of the scale.
The receiver shall be centred on the axis of the light beam.
(グーグル翻訳)
9.1. 光透過試験
9.1.1. 装置
9.1.1.1. 1.5 mm x 1.5 mm x 3 mm の直方体内にフィラメントが収められた白熱ランプで構成される光源。 ランプのフィラメントの電圧は、色温度が 2,856 K ± 50 K になるようにする必要があります。この電圧は ±1/1,000以内で安定する必要があります。 電圧をチェックするために使用される機器は、適切な精度のものでなければなりません。
9.1.1.2. 焦点距離 f が 500 mm 以上で、色収差が補正されたレンズで構成される光学系。 レンズの全絞りは f/20 を超えてはなりません。 レンズと光源との間の距離は、実質的に平行な光ビームを得るために調整されなければならない。 光ビームの直径を 7 mm ± 1 mm に制限するために絞りを挿入する必要があります。 この絞りは、光源から遠い側のレンズから 100 mm ± 50 mm の距離に配置されます。 測定点は光線の中心でとります。
9.1.1.3. 測定装置
受信機は、明所視用の ICI17 標準測光観察者の相対分光視感効率と実質的に一致する相対分光感度を有するものとする。 受光器の感応面は拡散媒体で覆われ、光学系が発する光線の少なくとも 2 倍の断面積を持つものとします。 積分球を使用する場合、球の開口部の断面積はビームの平行部分の少なくとも 2 倍でなければなりません。
受信機および関連する指示計器の直線性は、スケールの有効部分の 2% より良好でなければなりません。
受光器は光線の軸の中心に置かれなければなりません。

 

以上、一部、英文のみの原文しかない為、読み解きが難しいですが
Annex 3/9.1. Light transmission test(光透過試験)の文章は規格ISO3538(自動車安全ガラス光学特性の試験方法)と同文であることから、ISO3538を引用したものと推測できます。
規格JIS R3212(2021)は上記ISO3538の可視光線透過率試験方法と「ほぼ同じ実質的な差異は無い」と記載が有る為、JIS R3212 5.11 可視光線透過率試験 の適用が可能と思われ「※<参考>独立行政法人自動車技術総合機構においては「PT-50、PT-500 (光明理化学工業製)を使用。」記載のJIS R3212の可視光線透過率試験での測定が可能な PT-50、PT-500 が規定された要件を満たすものと判断することができます。
PT-50/PT-500以外の可視光線透過率測定器を使用するなら、JIS R3212の規格に基づく装置を使うことで規定された要件を満たすと考えられます。

JIS R3212:2021(自動車用安全ガラス試験方法)
可視光線透過率試験は,次によって行う。
a) 目的 主として安全ガラスの可視光線透過率が運転視野に必要な規格下限値を満足するかを確認す
るために行う。
c) 装置及び使用器具 装置及び使用器具は、次のいずれかの器具を用いる。
2) 直接測光器 次の条件を備えた測光装置。
2.1) 光源は,色温度2 856±50 Kに点灯した白熱電球 注4)、又はこれと同等のもの。
2.2) 受光器は,JIS Z 8781-3に規定するXYZ表色系に基づく等色関数ý(λ)注5)に対応する感度をもつ。
2.3) 光束の断面の大きさは,20 mm×20 mm以内とする。
2.4) 入射の方向が供試体の面に直角となる構造とする。
注4) JIS Z 8781-2の標準イルミナントAに相当する。
注5)等色関数 ý(λ)(ワイ・バー・ラムダ)とは、国際照明委員会(CIE)測色標準観測者がもつ分光感度に対するスペクトルである。
d) 手順 使用器具によって次のいずれかの手順で行う。
2) 直接測定法 供試体の透過光束と入射光束とを測定し,両者の比を百分率で表した値を可視光線透過率とする。

補足
上記は細目告示第117条で読み解いていますが、細目告示第195条で読み解くと
細目告示 別添37 窓ガラス技術基準 5.9.可視光線透過率試験
https://www.mlit.go.jp/jidosha/kijyun/saimokubetten/saibet_037_00.pdf
で条件を判断する事ができるので当社の表記は今後も一部、第195条の表記にいたします。

 

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